株式会社Kaizen Platform|事業成長を支援する独自のプラットフォームとDX人材のネットワークにより「顧客体験DX」を実現
利用用途
動画制作プラットフォーム「KAIZEN VIDEO」、動画広告支援サービス「KAIZEN AD」におけるサービス品質改善を目指し、問題の予兆検知と事前対応が可能な監視体制の確立にNew Relic Oneを活用
New Relicの選定理由と成果
- マイクロサービスアーキテクチャーに最適なNew Relic Oneのライセンス体系
- 多くのメモリを占有していたプロセスを1/4のメモリで実行可能に
- 15秒を要していた処理を0.5秒に高速化
- Webサイトの健全性を示す指標Core Web Vitalsを利用可能に
Kaizen Platformは、「KAIZEN the World――21世紀のなめらかな働き方で世界をカイゼンする」をミッションに掲げ、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を加速させる独自のプラットフォームとサービスを提供する成長企業だ。2013年に米国で創業した同社は、日本・アジア圏を中心に大きくビジネスを伸長させ2020年12月には東証マザーズに上場した。取締役 CTOの渡部拓也氏は次のように話す。
「私たちは、Webサイトにおける顧客体験の改善、営業資料の動画化、セールスツールのデジタル化といった、誰にもわかりやすく確実に成果の出せるビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)サービスを提供しています。この『顧客体験DX』を実現するのが、企業とグロースハッカーをマッチングさせる独自のプラットフォームです」
Kaizen Platformの強みは、UI/UXを得意とするプロフェッショナルなデジタル人材「グロースハッカー」を10,000名超という規模でネットワークしていることにある。ユーザー企業は、同社のプラットフォームを利用して自社のビジネス戦略に最適なチームを編成し、業務のデジタル化やECサイト/マーケティングサイトの改善を着実に推進できる。
「私たちは『顧客体験DX』を短期間かつ低コストで実現し、お客様企業の新しい収益の創造、企業価値の向上に具体的に貢献していきます。私たちのプラットフォームは、マーケティング、クリエイティブ、動画制作などに精通したデジタル人材の能力と創造性を最大限発揮させる場でもあります」(渡部氏)
Kaizen Platformのプラットフォームは、ユーザー企業には快適なデジタルワークプレイスを提供し、グロースハッカーにはクラウドワーカーとしてより柔軟な働き方を実現、ミッションに掲げた「21世紀のなめらかな働き方」は、ユーザー企業とグロースハッカー双方に向けたメッセージでもあるのだ。
「Kaizen Platformで働く全員が『改善者たれ』をバリューに掲げ、目の前の課題に挑戦し、お客様企業の『顧客体験DX』の実現に正面から取り組んでいます。その一環として、プラットフォームのパフォーマンス改善を図るために2021年初頭にNew Relic Oneを導入しました」と渡部氏は話す。
KAIZEN VIDEO、KAIZEN ADのパフォーマンス改善
Kaizen Platformが提供するソリューションは大きく次の3つに分類される。
①事業やビジネスを変革する「DXソリューション」
②Webサイトをわかりやすくつかいやすく改善する「UXソリューション」
③5G時代の次世代動画制作サービス「動画ソリューション」
「ビジネス変革を推進していく過程で、お客様企業の顧客接点はWebを中心にデジタル化していきます。すると次には、Webサイトにおける顧客体験をより良いものに改善していく取り組みが必要になります。このようにDX(デジタルトランスフォーメーション)とUX(ユーザーエクスペリエンス)はシームレスな関係にあり、さらに動画コンテンツによる付加価値の高い顧客体験へとつながっていきます」(渡部氏)
最初にNew Relic Oneによるアプリケーションパフォーマンス管理が適用されたのは、動画ソリューション「KAIZEN VIDEO」と「KAIZEN AD」である。プロダクション部 エンジニアリンググループ グループマネージャーとしてアプリケーション開発をリードする木暮 勇人氏は次のように話す。
「動画制作プラットフォーム『KAIZEN VIDEO』は、自社ブランドや新商品の市場認知、自社Webサイトへの誘導、リード獲得といった目的に合った動画制作をトータルにサポートします。さらに、動画広告支援サービス『KAIZEN AD』を活用することで、PDCAサイクルを回しながら広告効果・投資対効果を高めていくことができます」
「KAIZEN VIDEO」、「KAIZEN AD」はAWSを基盤としてサービス提供されているが、ビジネスの伸長とともにシステム負荷が高まり、レスポンスの悪化が表面化しつつあったという。プロダクション部 エンジニアリンググループのリードエンジニア 白井亮氏は次のように話す。
「お客様企業の使用体験に影響を及ぼす前に、適切な対策を実施しなければならないと考えました。そこでNew Relic OneのAPMを利用し、Webアプリケーション全体を可視化してパフォーマンスボトルネックが発生している箇所を特定しました。いきなりシステムリソースを増強するのではなく、パフォーマンス改善のためのプロセスやコードの見直しから始めることができたのです」
マイクロサービスに有利なライセンス体系
小暮氏、白井氏らの取り組みは「パフォーマンス改善プロジェクト」として全社横断的に推進されている。パフォーマンス評価を「体感」から「データ」に置き換えることで、改善の成果は目に見えて上がってきたという。
「New Relic Oneによるアプリケーションパフォーマンス管理(APM)の威力は大きいですね。従来からのインフラリソース監視、ログ監視では見えなかったボトルネックが見えるようになり、お客様が気づく前にパフォーマンス改善の手を打てるようになりました」と白井氏は話す。
New Relic Oneは業界を代表するオブザーバビリティ(可観測性)プラットフォームであり、デジタルサービスにおけるあらゆる重要指標の「観測」を可能にする。アプリケーション、インフラ、ユーザー体験の観測を通して、障害やサービスレベルの低下、潜在的な問題・ボトルネックを可視化する機能は業界随一との評価を得ている。
「ユーザー数と取り込んだデータ量でコストが決まるNew Relic Oneのライセンス体系も、私たちにとっては大きなメリットがありました。『KAIZEN VIDEO』をはじめとするWebアプリケーションは、マイクロサービスアーキテクチャーを採用しています。また、認証、ユーザー管理、決済システムなどもマイクロサービス化され、様々なサービスが共通基盤として利用しています。サーバーはかなりの台数になりますので、もしホスト単位での課金ならコストは大きく膨らんでいたことでしょう」(小暮氏)
渡部氏は、今後リリースされる新サービスにもマイクロサービスを採用していく考えを示しつつ次のように続けた。
「プラットフォームのサービス品質を維持・向上させることは経営目標のひとつであり、問題の予兆検知と事前対応が可能な監視体制の確立は急務です。New Relic Oneでは、この目標を達成するための投資・コストを将来にわたって抑制できることを高く評価しました」
Core Web Vitalsを標準指標として活用
New Relic Oneは、「15秒を要していた処理を0.5秒に高速化」「8GBメモリを占有していたプロセスを2GBメモリで実行可能に」といった成果を次々ともたらしている。AWSのリソース契約を見直してコスト削減につながった例も少なくないという。白井氏はNew Relic Oneのモニタリングツールとしての使いやすさを次のように評価する。
「New Relic Oneでは、クエリの遅延などが発生したとき、ダッシュボード上のメトリクスからドリルダウンして、ボトルネックがどこにあるのか、遅延の原因は何かを速やかに特定することができます。欲しい情報が直感的かつ最小限の操作で手に入るというのは、他のツールでは得られなかった体験です」
小暮氏は、バックエンド(インフラ、アプリケーションパフォーマンス、ログ)に続いて、フロントエンド(Webブラウザー)のモニタリングにもNew Relic Oneを活用していく考えを示した。
「GoogleがWebサイトの健全性を示す指標として提案しているCore Web Vitalsを採用し、エンドユーザーの体験を定量的に把握しながらプラットフォームのサービス品質向上を図っていく考えです。具体的には、コンテンツの表示時間、ページ操作の応答性、ページ表示の安定性に関するデータをNew Relic Oneで取得し、ダッシュボード上でそれぞれのスコアを参照できるようにしていきます」
エンドツーエンドのオブザーバビリティ(可観測性)を実現するNew Relic Oneがダッシュボードに可視化する情報は、まさに「ユーザーの体験」だ。その情報は「パフォーマンス改善プロジェクト」で共有され、顧客、ビジネス、システムの視点でサービス品質の向上役立てられる。
渡部氏は、「顧客体験DX」のさらなる進化に挑む決意を示しつつ次のように話して締めくくった。
「お客様のニーズに耳を傾けることは重要ですが、デジタルトランスフォーメーションの領域でビジネスを成長させていくためには、お客様のニーズを先取りして半歩先、一歩先のサービス開発を目指すことがさらに重要です。革新的なサービスとプラットフォームの開発に力を注ぎながら、同時にプラットフォームにおけるお客様の体験をより良いものにしていくために、New Relic Oneを最大限活用していきたいと考えています」